逃避行

映画・小説・舞台・音楽

期間限定グループを好きになってしまったが故に。

とあるグループを好きになった。

メンバーたちはとても一生懸命で、夢に向かって突き進んでいた。

その目がとても輝いていて、応援したくなり、気づけば大好きになっていた。

でもそのグループはただのユニットで、期間限定。

いつか無くなってしまうのは必然であり、わかっていた。

それぞれのメンバーはこのグループがなくなってからも、人生が進んでいく。

それぞれがそれぞれの仕事をこなし、自分たちの場所で未来へ突き進んで行く。

グループは通過事項として儚げになくなり、夢の中へと消えていく。

思い出に変わる。

それはわかっている、わかっていた。覚悟もしているはずだった。

ただ気持ちはコントロールできない。

ユニットグループを組むことでたくさんのファンも増えただろう。

愛もたくさんもらって、幸せを感じられたであろう。

幸せに美しく終わりを告げる準備もできているのかもしれない。

それぞれの未来を紡いでいく覚悟もできているかもしれない。

 

だけど、でも。

 

もっともっと、できることがあったのでは。

グループを残したままそれぞれの道も進むことができるのでは。

沢山のもどかしい気持ちがまだ残っている。

少なくとも、1位を1回でも取らせてあげたい。

素晴らしい実力をもっと世に知れ渡ってほしい。

今グループをなくしてしまうには惜しすぎる。

 

そのグループとしてのメンバーを好きになったから、

別の道に進んでいくメンバー達も同じように好きになれるかはまだわからない。

応援はもちろんしていくつもりだ。応援してあげたい。

だけど、同じくらいの熱量で応援できるかはまだ自信がない。

グループが本当になくなってしまった時には

悲しみでそれぞれの道にいるメンバーを直視できないかもしれない。

解散という傷を癒すには時間がかかる。

 

ただのエンターテインメントで、娯楽の一部であるのは事実だ。

そのただの娯楽は人生の中の一部であり、それによって感情も沢山揺さぶられる。

大好きで大好きで仕方ない。だからその分辛さも大きくなる。

 

そのグループをグループとして見られなくなる日は近い。

全員揃った輝く舞台を見れなくなる日が近づく。

 

”また会おう”

メンバーたちは私たちファンにこう言うかもしれない。

だけれど、そのグループとしてまた会う日はしばらく来ないでほしい。

だって、これから別々の未来へ進んでいくのだから。

過去は振り返らず、今と未来だけを見つめて。

そしていつか、未来のどこかで、メンバーがそれぞれ自分自身の道で成功して、

お酒を酌み交わしながら、笑って。

私は好きなままでいるし、応援していく。

そして叶うのなら、その時にファンと会う場所を。 

 

これが解散を免れないグループを好きになってしまった1ファンの願い。

 

大好きだよ、UNB