逃避行

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ドラマ『ナビレラーそれでも蝶は舞うー』は夢を夢で終わらせない勇気を与えてくれるパワーがある。(一部ネタバレを含む)

ナビレラがついに完結しました!!!

すっごい良かった。

ハラボジとチェロク。

そのバレエで繋がった新たな絆がとても羨ましかった。

ハラボジのおかげで

バレエに携わるキャラクターにも心情や関係の変化が訪れて、

素敵だったな。

 

(注意:以下、一部ネタバレ含みます)

 

 

 

 

フィクションだとはわかっているけれど、

やっぱりハラボジは素敵な人間性を持っているよね。

息子の野球の話が特に。

嫌味みたいなこと言う先生に対して息子を守るように抗議したり、励ましたりして間違った方向には行かせないようにしたし、自分だけでも大変なことがたくさんあったのにも関わらず、家族を守り続けてた。だからこそ、子供である3人の兄弟、そして義理の息子娘からも愛されているのかな。バレエを始めると言って、反対していてもその反対も父親が心配だからっていう愛のある理由。素敵な家族で羨ましい。

そしてヘナムも素敵な奥様であり母親だよね。貧しいながらもずっと大黒柱を支え続けてきた。そして、周りの人にバレエのこと少し変に言われても、気にしない、むしろめちゃくちゃバレエのこと応援しているってかっこいい。今の時代夫婦共働きでともに家庭を支えるという形が多くてそれもすっごく素敵なことだけど、へナムの姿を見ていると、奥様として母親として家庭の中から夫を支えて家族を支えながら、夫として父親として家庭・家族を学校や仕事等外から支えていくスタイルも悪くないなと思えた。そしてハラボジが退職するときに、「へナムがいたからここまで来れた」のような言葉を放ったのはもう流石としか言いようがない。二人でここまで頑張ってきたって思ってたとしてもなかなか気恥ずかしいところもあるはずなのに、ちゃんと言葉にするところが素晴らしい人だなって感じる。

そんなハラボジがずっと抱え続けていた夢、真剣な夢を現実で形にしていく姿に何度も心を打たれた。そしてその姿には周りを変えていく力があって、どんなに遅くてもどんなに無理だと思われても、意味のないことなどないと希望を少し抱けた。

このドラマを見ているとき、最近読んだ詩を思い返した。銀色夏生さんの詩集『すみわたる夜空のような』から「君へ」。勝手ながらに、凄くこの「ナビレラ」という作品にリンクしているように感じた。表紙も可愛くて全作品とても素敵なので、もし機会があれば読んでみてほしい。

 

チェロクはまずとにかくかっこいい。顔も性格も。

顔はもう言わずもがな、韓国タッチな漫画からそのまま出てきたかっこよさ、現実にこんなお顔立ちの整った人間が存在していいのか…。しかもその人が芸能人・俳優として活躍しているその奇跡がもう素晴らしい。ソン・ガンくん、ありがとう。

そしてチェロクの性格も、すっごくモテそう。

ウノが失敗したときに臨機応変に対応できてカバーするし、思ったことはハッキリと口にして相手に伝えるし、ウノが落ちてしまった時の慰め方がしっかりしてるし、ハラボジがちゃんと舞台に立てるが不安になっていても「自信がある」と信じてハッキリ口にするところ、全部かっこいい。

父親との関係に悩みながら、自分の将来に悩みながら、ハラボジに助けられて一歩一歩歩み続けているその姿も全部素敵だった。

 

ハラボジとチェロクの話がメインではあるけれど、ちゃんと全員にストーリーがあって12話の中に収まってたのすごい。妊活、仕事復帰、辞表、議員、就活、パートナー、医師の悩み、過去の罪など、ギュッといろんなことが詰まってた。

 

個人的な話をすると、ウノの心情が痛いほどわかる。自分がどこに向かっていけばいいかわからなくって、何にときめきを感じるのか、何が好きか、どうしていいのか見えなくなるときが多々ある。この年齢に多いのかな、そういった気持ち。だから、最後ラジオという場所がウノに見つかって本当によかった。嬉しかった。

 

ウノとチェロクの”なんかいい”距離感がすっごく好きだった。ハラボジに関してなことでしか基本的には会ってなかった感じもあるけど、そこから芽生えそうで芽生えない絶妙なラインが素敵。

 

 

最後に。

この作品を観れてよかった。本当に全てが美しかった。フィクションとして、綺麗な物語すぎて苦手な人もいるかもしれないけれど、私はとても観やすかったし、綺麗な物語だからこそ、安心して、前向きな気持ちにさせてくれた。本当にありがとうって言いたい。

またいつか、こういった作品に出会いたいなって思う。

 

ゆずりんごの蜜

*・゜゚・*:.。..。.:*

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P.S. お気に入りは第8話。最後の場面、うるっときてしまった。